4/19〜4/26に私たちSAKURA Tempestaのメンバーから、私(立崎)、後藤(ゴッチさん)、町田(マッチー)、そしてメンターから廣瀬(神)が、FIRST Championship 2022を見学するためヒューストンに渡航してきました。 この活動日記は、そんな渡航の様子を立崎からの目線で書いた見学記、2日目(4/20)です。 ※よりリアルな活動の様子や感じたことをお伝えするため、メンバーを普段呼んでいるあだ名で書いています。また、内容は私見となるため、チーム全体としての意見や感想ではありません。 ※時間は現地時間で書かれています。 ※SAKURA Tempestaはメンバー内で「さくてん」と呼ばれています。
今回SAKURA TempestaはチームとしてFIRST Championship出場権を獲得した訳ではありません。そのような中でこれらの4名が渡航することとなったのは以下のような理由があってです。
- 立崎がHawaii RegionalでDean’s List Finalist Awardを獲得し、そのCelebrationがFIRST Championshipで行われるため
- メンターの廣瀬が、今回Championship出場権を獲得した日本のFRCチーム、Yukikaze Technologyさんのメンターという立前で同行することになったため
- 2022/3/18に公開された、SAKURA Tempestaも出ているドキュメンタリー映画「More Than Robots」のイベントがChampionshipで行われ、SAKURA Tempesta創設者の中嶋が登壇するため
- Championshipを見学し、強豪チームをリサーチして様々なノウハウをチームに持ち帰り、来シーズンこそチームとしてChampionshipに出場できるようにするため
今回は、渡航した各メンバーがそれぞれの視点から活動日記を書いています。
<立崎>
- FIRST Championship 2022 見学記【1日目/立崎】
- FIRST Championship 2022 見学記【2日目/立崎】
- FIRST Championship 2022 見学記【3日目/立崎】
- FIRST Championship 2022 見学記【4日目/立崎】
<廣瀬>
8:00 朝食
朝は7:30頃起きて、部屋で朝食を食べました。私の朝食は、昨日スーパーで買ったリンゴとヨーグルトです。デザートのようではあるけれど、炭水化物onlyよりはまだマシ?と思いながら食べてました…
9:30 会場へ向けて出発!
ホテルの2階に集合して、徒歩で会場へ向かいます。この辺りの歩道はかなり幅が広くて、危険そうな場所もあまりなく、安心して会場まで向かえました。
約10分歩いて会場に到着しました!流石、ChampionshipはRegional Eventとは規模が違います。会場外のモニターには大きくFIRST Championship 2022の文字が書かれていました!
Championshipでは、会場に入るときに毎回荷物チェックがあります。全員無事通過し中に入りました!
ロボットや工具があるので一足先にホテルを出発していた雪風さんと合流しました!
ここで、会場があくまで少し時間があるので、先にFIRST Storeへ行くことに!このFIRST Storeでは、FIRSTのさまざまなグッズが売られていて、特にChampionshipでは自分で柄を選んで作れるオリジナルTシャツも買うことができます!というわけで早速行ってみました!
最初にここから服を選んで、
FIRST Storeを出たところで、台湾からのチーム、6998(NNKIEH)を見つけました!実際にロボットもいたのでいくつか質問をして、機体も見せてもらったのですが、まずはなんと言ってもレーザーカッターを多用して作り込まれた機体が物凄い!全てのパーツが肉抜きもしっかりされています。
そしてさらに驚かされたのはドライブベース。自作のドライブベースを使っていたのですが、なんとギアが全て、黒色の横長のフレーム内に平らに収まっているとのこと。金属板を1枚外すとメンテナンスも簡単に出来るそうで、私たちが普段使っているドライブベースキットよりも使いやすそうだなと感じました。ちなみに走行方法は4輪のメカナムです。
さくてん4人分の名札を受け取りました!会場内に入るためにはこの名札が必要で、見学でも登録して発行する必要があります。
近くでPronouns Ribbonsといって自分の代名詞を示すリボンも配られていたのでもらってきました!私は they/them/theirs です!
会場内ではこういったリボンがいろいろなところで配られていて、自由に名札の下に貼って示すことができます。
私は今回、Dean’s List関係で受け取らなければいけない資料があったので、Pit Adminへ行って封筒を受け取りました!
早速Dean’s ListとPronoun Ribbonを名札の下に貼ってみました!リボンの方に両面テープがついているので、こんな感じで下に伸ばしてつけていけます。
名札ももらったのでいよいよピットの方へ行くことに!今回の会場は左右に細長くて、入って右側に454チーム分のピットが、左側に6 Division分のFieldが並んでいました。
さくてんメンバー(メンターも1人含みますが…)は早速他チームのピットを回って、情報収集を開始!私は神と2人でペアになって回り始めました。
今回の情報収集の方法としては、事前にGoogle Formでアンケートを作ったので、それに答えてもらい、さらに質問の回答やロボットについてで気になったことがあれば質問をしてくる、という方式です。アンケートには以下のような内容を入れました。
<チームについて>
- チームのベースは何か(学校・地域・大学 など)
- 活動場所の広さ
- 練習用のフィールドを持っているか
- 活動資金は主にどこから得ているか
- メンバー数
- メンター数
- スポンサーの集め方
- 新規メンバーの集め方
- 新メンバーの教育について
- Building Season中にロボットを何台製作するか
<ロボットについて>
- Drive Baseの種類(Tank Drive・Swerve Drive・Mecanum Drive など)
- Swerve Driveを使用している場合、どのようにして入手しているか
- Drive Baseに使用しているモータの種類(CIM・NEO・Falcon など)
- CARGOにどのような回転をかけて飛ばしているか(バックスピン・フロントスピン・回転なし など)
- Shooterに使用しているモータの種類(CIM・Mini CIM・NEO・Falcon など)
- LimeLightを使用しているか
- ロボット製作費用
- ロボットの重量
- プログラミング言語
- なぜそのプログラミング言語を選んだか
- Command-Based Programming を使用しているか
<Building Seasonについて>
- ロボットのプロトタイプを製作するか
- プロトタイプの製作期間
- ロボットの設計期間
- ロボットの組み立て期間
- プログラミング期間
- ドライバーの練習期間
<その他>
- どのようにしてロボットを会場まで運んでいるか
まず私たちが行ったのは341(Miss Daisy)のピットです。このチームは2010 SeasonにHall of Fameになっていて、毎年Championshipにも参加しているので、学ぶべきことが沢山あるだろうと思って行ってみました!
メンバーの人に実際にアンケートを見せて回答していってもらったのですが、書き切れない分を全て喋って細かく説明してくれました。スポンサーの集め方や新規メンバーの集め方などについてほとんど止まることなくペラペラと英語で10分以上説明してくれて、チームにとって有益な情報を沢山聞くことができました。私たち2人のリスニング力とメモ取り能力だと全てを追い切れず、結局全て話の内容を録音させてもらいました(笑) たまたま手の空いていそうなメンバーの方に声を掛けたのですが、回答内容のレベルも高すぎて圧倒されてしまいました!
ここからは、話の内容やアンケートの回答結果から特に注目したいなと思ったポイントを箇条書きで書いていきたいと思います。
- メンバー数は50名以上の大きめのチーム
- スポンサーにBoeingがついていて、このような大きなスポンサーがいることによって他のスポンサーの支援も得やすいそう
- 中学生などにアウトリーチイベントを行うことによってチームに興味を持ってもらい、新規メンバーを集めている
- ロボットの重量は124 lbs (制限が125 lbsなのでかなりギリギリを狙って作られています)
- Drive BaseはSwerve Driveで、Swerve Drive Specialitiesから購入している
- スポンサーボードがマジックテープでロボットについていて、簡単に取り外しができて良いなと感じた (現在のさくてんのロボットの場合はネジ5本でとめているので、取り外しが地味に大変なのです…)
ここで、一度会場内をざっと見てみようということで企業がブースを出しているエリアへ行ってみました!ここにはREV、AndyMarkなどをはじめとする、FRCをやっていると親しみの深い企業のブースが10個ほど並んでいて様々な展示がされていました。
ここで、REVのブースに立ち寄ってみたのですが、こんな夢のようなボードを見つけてしまいました‼︎まず、右上についているのはPower Distribution Hub (PDH)です!私たちが使っているPower Distribution Panel (PDP)の進化版のようなもので、最近発売されたのですが、現在は売り切れになっているので早く買って使ってみたくてたまりません!実物をみたことでより使ってみたい気持ちが高まりました!他にも、Pneumatic HubやMini Power Moduleもついていました。これらは最近チームで購入したので、Off Season中に使ってみたいと思っています!
便利な部品も見つけました!まず1つ目は配線の先をピン状にする端子です。これまでかなり無理やり挿していたのですが、これだととても簡単に抜き差しができます。そして2つ目は、WAGO 221 Inline Splicing Connectorというコネクタです。これがあると簡単に配線の付け外しができるため、分解の可能性の高い部分の配線には持っていこいです。特に今回のさくてんのロボットは輸送時に分解したため、分解の際に取り外す部分などには使いたかったなと思いました。これらは来シーズン以降是非採用したいと思っています!
さらに奥へと歩いていくと、Hall of Fameのフラッグが飾られたエリアがありました!これらは過去にChampionshipでChairman’s AwardのWinnerになったチームで、毎年Championshipへの出場権が与えられます。今回のChampionshipではこれらのチームも集結しているので、できる限りピットを回って情報を集めてこれたらと思います。
ここで、そろそろお昼ということで1度さくてんメンバーで集合して、休憩がてら観客席の方へ行ってみました。まだ練習試合も始まっていないので人もほとんどいませんが、この観客席の広さはChampionshipならではでテンションが上がります!ここに人がびっしり入ると思うと🤩
各自持ってきていたものを食べて軽くお昼を済ませました。ちなみに私は過去、FRCの大会ではいつもロボットの調整に追われて、まともなお昼を食べたことが1度もなく、今回も同じような気持ちできてしまったのでお昼はビスケット2枚だけ(笑) 普段ならお腹が空いて何も手につかなくなりそうですが、ここなら楽しさで乗り切れます💪
少し休憩できたので、再び情報収集に戻ります。まずは、今回の渡航メンバー全員が注目していたチーム 118(Robonauts)のブースにみんなで行ってみました!Youtubeで見ていた通りの白と金色のボディのロボットを前にして、みんなテンションが上がります!カッコ良すぎる‼︎
- Drive BaseはSwerve Driveで、Swerve Drive Specialitiesから購入
- CARGOにはフロントスピンをかけている
- ロボットの重量は123.6 lbs。こちらも制限ギリギリで設計
- ドライバーの練習期間は驚異の10週間!
- ロボットはBuilding Season中に2台製作
- Intakeに使用しているローラはFTCのフィールドなどに使われているスポンジ状のマットを切り抜いて作っている
- ネジはあまり使わず、リベットで固定。フレームの肉抜きが徹底的に行われていることも考えると、かなり緻密に設計され、作られていると思われる。
練習試合が始まったので、Fieldの方へ様子を見に行ってみたのですが、初っ端からレベルの高さに驚かされました!流石Championship、CARGOがどんどんUPPER HUBに吸い込まれていきます!特に、ゲーム開始から最初の15秒間のAutonomousで6個くらいのボールが一気にUPPER HUBに入るところなどは圧巻でした!
その後もメンバーで手分けしてピットを回り続け、今日の成果としては合計32チームから情報収集をすることができました!まだまだ大会は初日です。明日からはいよいよQualification Matchesも始まるのでそれらも参考にしながらチームに様々なノウハウを持ち帰れるようにしたいと思います!
19:30 Pits Close
ピットが閉まる時間になったので全員ピットの外へ移動します!というわけでメンバーはここで一度集合しました。
FRCの会場を出たところにRAPID REACTと書かれたバナーがあったので、ここで集合写真を撮ることに!
20:00 ホテルに到着
やっとホテルに到着しました!外が明るかったのでまだ気持ち的には17時くらいなのですが、実際はもう20時!急いで荷物の片付けなどしました。
各チームがピットでピンなど配っていました
21:00 夕食
今日も部屋で夕食です。また昨日と同じものを食べてます…まあ美味しいからいいかな〜
こうして大会1日目が終了しました!1日目から他チームにどんどん突っ込んで英語で質問をして、様々なことを学び、経験することができて充実した1日になりました!いよいよ明日からは実際の試合が始まります。かなりレベルの高い試合になりそうなので楽しみです!
<翌日の記事はこちらから>
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